『あ・・・ 池田さん、どうしてるかな・・・』
掃除機をかけてたら、壁に掛けてた絵画に目がいった。

池田さんは、私が初就職したときの上司である。
18歳で上京した私の父親代わりでもあったなぁ。
最初に配属された「総合暗室」という部署は
各支店から大量のモノクロネガが送られてくる場所で
池田さんの焼くプリントを皆、信頼していた。
人間的にも優れた池田氏は、 「この子はあまり写真に興味がない」 とすぐ私のことを見抜き
昼休みには近くの日比谷公園によく連れてってくれた。
同期に大坂出身の子もいて、3人でよくバレーボールやバドミントンをして遊んだな~。
・・・って、会社に何をしに行ってたのか・・・
多趣味の池田氏は、私になんとか写真に興味を持たせようといろんな方法を試みてくれた。
その中でも私にとって一番「苦痛」(!?)だったのが、油絵だった。
夕方7時近く仕事が終わり、
『さぁ、今日はどこにショッピングしに行こうかなぁ~♪』って気分のときに
「今日は油絵やるか」とボソッと言う。
あんまり美術も得意じゃないんだよね、私。。。とブツブツ言いながら
気づくと0時近くになり、帰ったら寝るだけというパターンが週に何度か続いた。
この部署には2年間お世話になりました。
その1年後 青森へ帰ることとなり、池田氏は私に油絵を描いてくれた。
それに似合いそうな額縁も一緒に選びに行った。

帰省して13年。
この絵を見るとホント楽しかった東京時代を思い出す。
明日あたり、池田さんにクリスマス・カードが届くはず。
来年は久し振りに会いに行ってみようかな・・・